泌尿器科では現在3名の泌尿器科専門医にて外来、手術、透析治療を行っています。 診療内容としては排尿障害や悪性腫瘍を中心に幅広い泌尿器疾患に対応していますが、当院は救急医療に力を入れており、泌尿器救急疾患(尿路性器外傷、尿路結石、急性陰嚢症など)にも臨機応変に対応しています。
治療に当たってはインフォームドコンセントを重視し、患者様に十分に納得して頂いた上で治療を行うこと、また事務的ではなく暖かい関係性を築くことをモットーとしています。
主な疾患と治療法
- 排尿障害
- 前立腺肥大症に対しては症状や病態に応じて薬物療法や手術療法などを行っています。手術は侵襲の少ないホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)や経尿道的前立腺吊り上げ術(Urolift)も行なっています。HoLEPについては九州北部における数少ない施行施設の1つであり、前立腺体積100mlを超える巨大前立腺にも対応可能です。Uroliftは2023年から導入しており、北九州市内で最多の症例数を誇ります。神経因性膀胱に対しては膀胱機能検査を施行した上で薬物療法や自己導尿の指導を行っています。 腹圧性尿失禁に対しては薬物療法や骨盤底筋運動の指導、TVT手術を症例に応じて行っています。
難治性過活動膀胱に対するボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法も対応可能です。 - 尿路結石
- 自然排石が期待できない症例には体外衝撃波結石破砕治療(ESWL)を主に外来にて治療を行っています。また 2019年よりレーザーによる内視鏡治療(TUL)を開始し良好な治療成績を得ています。巨大結石に対するECIRSも対応可能です。
- 泌尿器腫瘍
- 当院でも高齢化やPSA検査の普及に伴い、前立腺癌が増加してきています。病状に応じて内分泌療法や手術療法を行います。その他膀胱癌や腎癌に対する手術(腹腔鏡)や化学療法を行っています。また、症例に応じてCVポート留置なども対応可能です。
- 泌尿器救急疾患
- 陰茎折症や精巣破裂などの尿路性器の外傷にも対応しています。 精索捻転症に対しては早期に手術を行っています。
- 腎不全、透析療法
- 30台のコンソールで血液透析(HD)及び血液濾過透析(HDF)を行なっています。骨折や外傷などで救急搬送された他院の透析患者さんも積極的に受け入れています。バスキュラーアクセスの作成や修復(PTAなど)も行っています。
手術統計
| 2023年度 | 2024年度 | |
|
手術室での手術件数 |
279件/年 |
304件/年 |
| 主な手術(手術室) | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|
|
経尿道的尿路結石除去術(TUL) |
77件/年 |
76件/年 |
|
経尿道的膀胱腫瘍切除術 |
54件/年 |
28件/年 |
|
経尿道的膀胱結石除去術 |
23件/年 |
9件/年 |
|
経尿道的前立腺レーザー核出術(HoLEP) |
13件/年 |
29件/年 |
|
経尿道的前立腺切除術 |
11件/年 |
5件/年 |
|
経尿道的前立腺吊り上げ術(Urolift) |
5件/年 |
16件/年 |
|
腹腔鏡下腎摘出術(腎尿管全摘術含む) |
8件/年 |
6件/年 |
| その他の手術 | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|
|
内シャントPTA |
51件/年 |
66件/年 |
|
内シャント造設術 |
20件/年 |
15件/年 |
|
環状切除術 |
5件/年 |
2件/年 |
|
UKカテーテル留置 |
5件/年 |
8件/年 |
上記以外にも、閉塞性尿路感染に対する尿管ステントの挿入を年間100例以上行っております。